
コミケット76への参加も無事に終了。暑い中を並んで、わざわざブースに来てくれた人たち、みんな有難うでした。僕も、朝の9時に椅子に座ったっきり、夕方4時の終了時刻まで、ほとんど飲まず食わずで頑張ったよ。コミケ参加も回を重ねると、嬉しいことに、足を運んでくれるファンの人も増えて、次から次へ、ひたすらに話していた感じで、1週間経つ今でも、まだ少しぼんやり(笑)しています。でも、僕のブースがある場所はシャッター口の近くで風も通ったし、涼しくて良かったみたい。遠く東館の向こう端に、東方系サークルの集団が見えるんだけど、あっちは凄まじい人の波で阿鼻叫喚だったらしいです。
で、持って行った「海神記」は目出度く売り切れて、本当にもう手元にありません。Tシャツも、わりと早いタイミングで売れちゃいまして、買えなかった人は済みませんです。
さて、今回新たに頒布した楽曲である「AT」について少々書こうと思います。これ最初はぜんぜん別のゲームのために作った、1960年代のバンドサウンドをイメージした曲だったんだけど、案の定その企画は消えまして、自分ではけっこう気に入っていたので、今回の夏コミのために歌モノに改造しようと、アレンジを考えたり歌詞を付けてもらったり、あれこれ頑張ってみた次第。ドラムは、大昔のグレッチのセットの音だし、メロトロンのフルートに、ファルフィッサのコンボオルガン。加えて流行の人工歌姫を使いながら、どんな風に僕らしい味を出すか、きっと苦労はあるだろうけど、そういう楽しみも期待していた。で、この曲。もとは古い真空管アンプ的なディストーションサウンドだったんだけど、歌を入れて組みあがってみると、人工歌姫の雰囲気とどうしても合わない。合わないというか、両方とも歪みがちな不明瞭なサウンドなため、お互いに埋もれすぎて、輪郭がぼやけちゃう。コンプレッサーで輪郭を立ち上げても、どうしてもモヤモヤした感触が拭えない。実際何度も何度もやりなおしてMIXしたんだけど、どうしても気に入らない。そこで、根本のコンセプトから変更して、楽器音を全て、アコースティックな肌合いのシャキシャキした音質にまとめ、その中に埋もれる形で人工歌姫を配置したら、なんとなく気持ちが良いバランスが見つかった。あれこれごちゃごちゃ弄るのは止めて、歌を含めた全ての音が、真っ直ぐ鳴るように。真っ直ぐ、聞く人の耳に届くように。目の覚めるような響きを生むように。作業を始めた時はもっと簡単に完成できると思ってたんだけど、目論見が外れて凄い手間がかかっちゃった。その代わり、夏らしい爽やかさのある楽曲に仕上がったと思います。自分で一番気に入っているのは、最初に一発鳴るスネアの音。これさえ聞いてもらったら、この気持ち良い音を聞いてもらったら、もう大満足って感じ。で、なにぶん歌の内容が聞き取りにくかったと思うんだけど、歌詞はWEBに挙げていいかどうかまだ分からないので、それはいずれまたということで、ゴメンナサイ。
お疲れさまでした
– 2009年 8月 23日Posted in: Hiroki Kikuta's Blog

菊田裕樹(Hiroki Kikuta) 1962年愛知県生。関西大学文学部哲学卒。漫画家を経て1991年にコンシューマゲーム開発会社であるスクウェアに入社。ゲーム音楽の作曲家として、「聖剣伝説2」「聖剣伝説3」「双界儀」などの制作に携わる。1997年株式会社サクノスを立ち上げ独立、ホラーRPG「クーデルカ」を制作。以後、フリーに。ゲームプロデューサー、ディレクター、シナリオライター、オンラインゲーム設計など、経歴多数。現在は再びゲーム音楽のフィールドを中心に仕事をする毎日。最近作は2010年末にセガより発売されたPSP向けRPG「シャイニング・ハーツ」。
今回もおつかれさまでした。
行くことはできませんでしたが、「AT」はどうにか手に入れることができました。
なんてかわいい曲なのでしょう。歌詞もぜひ知れたらうれしいです。
「怒首領蜂大往生アレンジアルバム」も届きました。
正直、アレンジだし1曲だけだしと購入にまよいがあったのですが、
前回あった夏の夕立の話が気になって注文し、
曲の半分まできいたところでもう「か、買ってよかったー!」と思ったのでした。
先日は本当にお疲れ様でした。コミケ会場のスペースに立ち寄らせていただいた際、まったく席を立たれていなかったので後になってみるとトイレに行くことすらままならなかったのではと長居してしまったことを反省しております(汗)次回からはお申し付け下されば売り子の手伝いもしますので!
「AT」に関して、歌詞の公開を検討していただき大変恐縮です。期待しております。
ギターやドラムのシンプルながらも突き抜けるような音抜けの良さは本当に何度聴いても爽快です。
「怒首領蜂CD」も入手することが出来ました。リコシェは未聴ですがライブな雰囲気が出ていてこちらも爽快でした。既存曲の初アレンジとのことですが最初の音色を聴いた瞬間、菊田さんだ!と思いました(笑)
メロディや響きだけでなくコンプレッサーやディレイ等エフェクトの掛け方さえも唯一無二のものを感じます。気持ちが良くて何度聴いても飽きないのが素晴らしいと思います。ミニマル的な感覚でしょうか。