
DATのデータはおおむね整理がついたものの、始めてみればその先があった。ダンボール箱の山を漁り、フロッピーだのハードディスクだのに仕舞われている過去のデータを探っていくと、実にいろんなものが掘り出されてきて感慨深い。まさに「LOST FILES」という感じ。先日も書いたが、15年前、僕が27歳ぐらいの時にSY77というシンセサイザーを使っていたころのデータ、殆どはアイデアを書き留めたような断片だが、いくつかは完成品、なんて類のフロッピーディスクが、30枚ぐらいあったりする。かとおもうと、聖剣伝説2や聖剣伝説3のころの MIDIデータや、サンプリング用の音色データが、綺麗に整理されて保存してあったり、あるいはまったく別の格闘ゲームに使おうと思っていた曲が、そっくりそのまま忘れ去られていたり。聴き返すと、どれも僕らしい響きに満ちていて、我ながらびっくりする。まあ、さすがに15年経つと、あちこち引越しを繰り返す中で、紛失して見当たらないデータがいくつかあるのが残念だが、アナログテープに保存したものを含めれば、だいたい、CDとして満足のいく構成に出来そうに思う。MIDIデータのみ残っていたものは、現在の音源を使ってアレンジを施しつつ収録するつもりだが、あまりに手を加えすぎると、当時の感覚や新鮮さが薄れてしまうので、その加減が難しくて、困りものである。
経過報告
– 2006年 1月 9日Posted in: Hiroki Kikuta's Blog

菊田裕樹(Hiroki Kikuta) 1962年愛知県生。関西大学文学部哲学卒。漫画家を経て1991年にコンシューマゲーム開発会社であるスクウェアに入社。ゲーム音楽の作曲家として、「聖剣伝説2」「聖剣伝説3」「双界儀」などの制作に携わる。1997年株式会社サクノスを立ち上げ独立、ホラーRPG「クーデルカ」を制作。以後、フリーに。ゲームプロデューサー、ディレクター、シナリオライター、オンラインゲーム設計など、経歴多数。現在は再びゲーム音楽のフィールドを中心に仕事をする毎日。最近作は2010年末にセガより発売されたPSP向けRPG「シャイニング・ハーツ」。
今回の記事を読んで、ますます「LOST FILES」の発売が楽しみになってしまった僕です。しばらくインストものは買っていないのですが、愛聴盤になるように、本当に期待しています。焦らず、頑張ってくださいね。
「双界儀」は特別として(あと、最近のPCゲームの音楽も例外として)、僕は菊田サウンドの魅力は打ち込みのリズム重視の曲にあると思うんです。リズムトラックに、洗練され研磨された音のフレーズを乗せていく感じ。だからこそ、当時、メロディー重視だった植松さんや伊藤さんといった他のスクウェアコンポーザー陣とは明らかに趣きの異なった、ある種、異端な曲調に聖剣シリーズはなっていたんだと思う。
1曲約50分という「Secret Of Mana」は、その特徴を如実に表していて、「一見、無機質なんだけど無機質じゃない」菊田節に満ちていた。僕はそこが魅力だと感じています。
そもそも当時のスクウェアのアレンジアルバムで、わずか1曲しかないという試み自体がすでに異端だったし(笑)。
曲もさることながら、「変だけど格好良い」生き方にも憧れますね。
(遅ればせながら)あけましておめでとうございます。
楽曲制作においてエフェクトやアレンジ等あまり手を加えすぎるとという悩みはよくありますよね。
その絶妙な駆け引きが悩みどころであり面白いところでもあるのですが。
15年前というと僕はまだ小学校に上がりたての頃です(笑)
それと写真のシーケンサーは実に見覚えのあるものです(笑
菊田さんの音楽の魅力はリズム的要素もあると思いますがやはり響きが素晴らしいですね。
音色や響きだけで誰が作ったか分かってしまうというインパクトには憧れます。
昔の曲をとりまとめるだけだから、そんなに手間もかからないだろうと思って始めた事が、どんどん膨らんで煩雑な仕事になっていくのは頭が痛いです。 SY77なんて、ストレージメディアが2DDのフロッピーディスクだけ。今時そんなもの店で売ってないし。(笑)おまけに、楽器本体のメモリ容量がものすごく小さいんで、一曲づつバックアップを取るしかない。いやもう、気が遠くなるような作業で、本当に疲れました。アレンジのことだけど、当時の雰囲気とは言うものの、昔の音源は非力に感じるし、ある種、未完成な部分のある楽曲だったりするから、どうしても手を入れたくなるんだよね。いっそ新曲を作る方が早いというのは、ちょっとした皮肉かも。(笑)
僕も時々あえて昔の機材を駆使して曲を作ってみたらどうか?という衝動に駆られることがありますがメディアやバックアップやそういったことを考えると到底手を出す気になりません(笑)それをあえて今回挑戦されたことは本当に斬新で凄いことだと思います。お疲れ様です(笑)しかし制作は遠い日に埋めたタイムカプセルを掘り起こしたような楽しみや発見があったことと思います。昔の部分を尊重するか今のスタイルで作るかはある種ゲームのリメイクにも似ていますね。どのようになるのか実に楽しみです。
楽しみや発見はもちろん有って、嬉しいんだけど、過去形に出来ないわけです。いやもう、すごい作業量で。(汗)たとえば、格闘ゲーム関係の曲のMIDI データは、新旧併せて6曲あるんだけど、音源を変えてアレンジを施して、組曲としてひとつにまとめるつもり。しかし、そこまで手を入れるとなるともう、 LOST FILESじゃなくて新作だよなあ。
そうですよね。ゲームのリメイクとの決定的な差は作品そのものが未発表であり現在進行形というところですよね。まさに新作といった感じでしょうか。格闘ゲーム・・・一体どんな曲調なのか凄く気になります(笑)
データー損失みたいな名前でちょっと心配・・・いやすいません、何でもありません。
桃の木の壮大なストーリーの幕開けに、昔を振り返ってみるのはとても重要且つ面白い試みだと思います。原点回帰というやつですね。
この機会に、しばらくの間だけ音楽活動に重点をおいて、沢山リリースしてくれると「僕が」とても嬉しいのです!リリースラッシュして・・・
通りすがりの一ファンですが、オリジナル作品の出来上がりが
とても楽しみです。焦らず待っているので、是非いい作品を作って下さい!
菊田さんの音楽についての僕の感想を書いています。
http://yaplog.jp/nameless_story/archive/23
「LOST FILES」。待ち遠しいな。